vol.20 2003/05/15

《1兆円産業の光と影》

こんばんは。かつ丸です。
そろそろ蚊も出て来ましたので、みなさんフィラリアの検診とお薬の準備をしましょう。
フィラリアの薬は値段が病院によって決められていませんので、同じ種類のフィラリアの薬なら、より安いところを探すのもアリですよね。

5〜6年程前、ぼくがまだワンちゃん専門店を共同経営していた頃、これ程の産業になるとは思っていませんでした。
時代背景とは裏腹に、この業界だけは右肩上がりの成長を遂げています。
以前と比べ、いちじるしく違うのがペットショップの数(生体・グッズ他)です。
グッズに関しては特にワンちゃん用の洋服は人間のブランド服のように、何十・何百社も新ブランドが誕生しました。
(Natural Dog LifeのBig Ear'sもそのうちの1つです。よろしくね!)

当時、ぼくのショップにデザインやパターン等いろいろな相談にスタッフ5〜6人で原宿から来ていたメーカーさんは、今やチワワのカリスマブランドとなっています。
スタッフの熱意とセンスが成果を作ったのでしょう。
他にも、女性ファッション誌等でも紹介されていた2大ブランドさんも当時おつきあいさせていただいていましたが、今も尚 発展し続けているようです。

ドッグフードの種類もここ数年で、海外からたくさん輸入されるようになりました。
病院やトリミング、ドッグスクール、お散歩屋さん、エステ、通信教育・・・
ワンちゃんに関連した事業は数えればキリがない程です。

時代とともに核家族化が進み子供の数が減りました。子供の情操教育の1つの手段としてワンちゃんを購入した方もいるでしょう。
または、人生のパートナーとして購入した方や、ただ単純に「かわいいから」「流行っているから」という理由で購入した方もいるでしょう。
どれが正しくてどれが悪いと言っているのではありません。
その愛すべきワンちゃんが人の都合だけで“物”のように扱われ、安易に売買され、そして“物のように捨てられる”ということだけは避けたいですね。
全てのワンちゃん(生命)が平等に愛されるための経済発展であってほしいとぼくは思います。

現実、日本には年間50万頭以上のワンちゃんの命が殺処分(物のように)されています。
敢えてこのような表現(殺処分)をさせていただきました。




vol.19 2003/04/18

《ありがとう、レオ》

こんばんは。かつ丸です。
今回は、実際にあったぼくの友人の話をしたいと思います。

某企業のトップセールスマンだった彼のお話です。
2003年1月に突然解雇され、トップセールスマンだった彼は少し人間不信に陥っていたような感じがしました。
ぼくと話している時も以前の鋭さがなく、次のスタートができない状態でした。
1ヵ月前に彼女と別れたということも重なっていたのでしょう・・・
数日後「犬買っちゃった〜!」とぼくの所に知らせに来ました。
そして彼は自分が描いていた通りのワンちゃんを手にできたようで、とても嬉しそうな表情をしていました。
仔犬と生活することによって彼本来の明るさややさしさを取り戻させたような感じでした。

4ヵ月のウェストハイランドホワイトテリアの女のコ、名前はレオちゃん。
『ジャングル大帝レオ』に似ていたことから名付けたそうです。
ちょうど無職だった彼は、24時間 レオと一緒に過ごすことができ、彼の家は海に近い庭付きの一軒家で、レオにとってもよい環境のようにぼくは感じていました。
不景気の今、なかなかすぐには就職先が決まらなかったようですが、レオとの生活はとても充実していました。

そして2ヵ月が経ち、ある日いつものように朝フードを与えようとしたところ、下顎の辺りが異常に腫れていることに気付き、慌てて病院に駆け込みました。
レントゲンを撮ったところ、遺伝性の骨肉腫と診断され、「パピーでは非常に珍しい」と言われ、既に喉まで転移をしていて食事も喉を通らない程腫れているとのことでした。
なんとか彼は助けようとしましたが、状況はよくならず、あと数日でレオが死ぬという現実を受け止めることすらできませんでした。

購入したペットショップに相談した所、「レオの兄弟・両親とも調べて今後このようなことが起きないようにします。同じ犬種をもう1匹用意します。その代わり、すごく珍しいケースなので、知り合いのアメリカ人の医師に見せたいから預からせてほしい。死んじゃったらごめんなさい。」と今 死の淵で頑張っているレオのことも考えず、彼にそう言って来ましたが、彼は1日も長くレオと一緒に居たかったので断りました。

息もやっとできるような状態で力のない目で横たわっているのが精一杯でした。
数日後、先生に今後どうするか相談され、彼は安楽死を選択しました。
そして、自分のヒザの上で注射を打ってもらうことを先生にお願いしました。
なぜならば、この2ヵ月間、彼のヒザの上がレオの大好きだった場所だからです。
レオは彼の目をジッと見ていました。
注射をして30秒・・・レオの目は遠くを見るようにやさしく眠ったそうです。

レオの犬生はとても短かったけれども、彼との時間を過ごせたことは、レオにとって とてもしあわせだったのではないだうか。
翌日、以前取引きしたお客様から1年ぶりに電話があり、近況を聞かれ、すぐに就職先の社長と会うことになり、好条件で就職があっと言う間に決まったそうです。

「これはレオがくれた贈り物だったのかなぁ?」
友人はぼくにそう呟いた。




vol.18 2003/04/17

《ヨーロッパ発》

こんばんは。かつ丸です。
陽気もあたたかくなり、お散歩日和となってきましたね。
今回は、先日イギリスのクラフト展に行ったぼくの友人からの“印象に残った話”をしたいと思います。

友人の話を聞くと、日本とヨーロッパの犬文化の違いをつくづく考えさせられます。
日本のドッグショーはまるでアメリカのコピーで、まさにショービジネスとなり、そこに関わる人達もよほど客観視しないかぎりショービジネスに溺れ、大切なコトが見えなくなっているように思えます。
そして、その結果かわいそうなワンちゃんや飼い主さん達が増え続け、
一部のワンちゃんはまるでゴミのように捨てられているのです。

日本全体で、1年間で約50万頭の尊い生命が人の都合により失われていきます。(保健所により殺処分となった犬達の数のみで、その他の都合で殺される生命の数は倍以上と想定されます。)
ちなみに、イギリスではやむを得ず引き取り手のないワンちゃんの殺処分は、年間1万頭弱・・・
ドイツにいたっては、近隣諸国の処分犬を引き取りリフォーミングをし、里親を探しています。
この話を聞いて、みなさんは何を感じますか?
近年のペットブームで意識の高い飼い主さんもたくさん増えて来ていますが、これが今の日本の現状であり現実なのです。

数年前にイギリスからワンちゃんを入れようとした時に、
向こうのブリーダーさんから「あなた達日本人は経済ではナンバー1になったかもしれないが、ハートの部分では後進国だ!だから、いくらお金を積まれてもあなた達に渡す気はない。」
今回、ぼくの友人の話を聞いた時に、その言葉を思い出しました。

だいぶ否定的な話を書きましたが、日本でもボランティアで頑張っている人達もたくさんいます。
もっともっとそんな意識が広がって、尊い生命をムダにしないような国になることを強く思います。




vol.17 2003/03/16

《どっちがどっち》

こんばんは。かつ丸です。今日でぼくのお話も3連チャンめです。
今回のテーマ『とっちがどっち』とは、ブリーダーvs 獣医さんのことです。

数年前の話ですが、ある時「股関節形成不全の疑いがある」と獣医さんから言われ、ワンちゃん(バーニーズマウンテン、生後6ヵ月)を連れてぼくの所に相談に来ました。
ぼくは医者ではないので股関節について勉強をしたことはありますが、レントゲンを撮る機械もないし、角度を計る器具もないので、ただ 歩様を見たり後ろ足を動かしたりするぐらいで なんとも言えませんでした。
「とにかく購入したブリーダーさんに聞いて見てください」と言った所、そこの犬舎では
「形成不全など今まで出したことない!どいつだ、その医者は!電話してやるから番号教えろ!」と怒りまくり、挙げ句の果てには「あなたの飼い方が悪い!」と今度は飼い主さんを責め、自分を正当化するばかりで話にならなかったようです。
股関節形成不全の得意な獣医さんを紹介し診てもらった所、
「軽度の形成不全の疑いがある(先天性)」と診断されました。
ただし、「まだまだこれから骨格ができてくるので、注意すれば日常生活はおくれる」と言うお話でしたが、
バーニーズの飼い主さんは、ブリーダーは「絶対にそんなことはない!」と言い、獣医さんは「軽度の股関節形成不全」と診断し、どっちを信じていいのかわからずに困り果て、またぼくの所に相談に来ました。

ぼくは、このようなケースの場合(みなさんも参考にしてほしいのですが)、動物病院を1つメインでかかり、心配であれば2つ3つ他の病院(得意分野)を選んで行ってみることをオススメします。
獣医さんの中には形成不全を専門的に勉強して得意な先生もいれば、医学書片手にあんまりよくわかってない先生もいます。
人間の病院はたくさんの分野に別れていますよね。
しかし動物病院は全体をフォローするので、1つ1つ専門的な知識や治療ができない方もいます。
ぼくも、眼だったら●●先生、外科的なことなら●●先生、骨格形成に関することなら●●先生・・・という具合に診てもらっています。
ブリーダーは自分が作った犬が変だとは認めようとしませんので、こう言った相談をブリーダーには確認程度にして専門医に診てもらい、その結果をよく理解した上で、今後どんな風に関わり治療していくかを選択するとよいと思います。
(同じ病気で治療が完治した人の話を参考にするのも1つの方法だと思います。)

こんな話もあります。
小型犬なのですが、ある病院で触診だけで「膝蓋骨脱臼」と診断され、すぐに手術をするように言われました。
飼い主さんはブリーダーにすぐ電話して問いただした所、やはり「うちではそんなこと今まで1回もない!いい先生紹介するからそっちで検査してください」と言われたそうです。
ぼくの所に来て「どう思いますか?」と相談されたので、「多分なんでもないよ。なんの問題もないよ!」と答えました。
その後に紹介された有名な外科を得意とする獣医さんに診てもらった所、やはりなんともなく健康な状態でした。
危なく手術させられるとこでした。

獣医さんの言うことは全て正しいと思われがちですが、緊急を要さない場合は 先程述べたように、その症状を得意とする先生に診てもらってからでも遅くはありません。
普通に考えて、もし人間のお医者さんで何でも診れる先生(歯・眼・耳・内科・整形外科・皮膚 etc...)がいたら、あなたはそこに通いますか?




vol.16 2003/03/15

《楽しく犬生活2》

こんばんは。かつ丸です。
思い起こせば、小さい頃からたくさんのワンちゃんと暮らして来ました。
父親が犬好きだったので、物心がついた頃にはワンちゃんがいつも傍にいました。
その証拠に、小さい頃の写真にはワンちゃんと一緒に写っているものばかりです。
うちの母は手作り食をあげるのが好きで、うちで育ったワンちゃん達はみんな長生きでした。20年生きたワンちゃんもいます。
ぼくはワンちゃんと暮らすことにとても恵まれた環境でしたので、その後もずーっとたくさんのワンちゃんと暮らし、友人と専門店まで開いてしまいました。
そして、名犬を何百匹もエージェントし、更にたくさんのワンちゃんに触れ、たくさんの人とも触れ、様々な出来事をこの目で見、体験してきました。
vol.15で述べた「ムリをして人生が狂ってしまった人の話」等を紹介しましたが、それとは逆に人生楽しくシフトチェンジしていった人もたくさん見てきました。

ワンちゃんを購入したことでマンションを売って一戸建てを買い、その一戸建てで奥さんは1階を教室にして小さな子供達に英語を教え、休みの日には旦那さんとワンちゃんと共に、ワンちゃんを通じて知り合った仲間達と時間を共有し楽しく生活を送っている人もいました。
ワンちゃん購入をきっかけに車を買い替え、家族で出かけることが多くなった人もいました。
しつけ教室などの仲間とまるで昔からの友達のようなつきあいをし、家でパーティなどを開きみんなで集まったりし、とても楽しそうにみなさんイキイキとしていました。
息子や娘が自立し、夫婦2人になった時に「私達と暮らす仲間が欲しい」と相談に来て、仔犬をお渡ししました。
「また子育てが始まった♪」と言っている姿は、とても初々しくかわいく見えました。
まだまだたくさんの人が、いろいろな事情やいろいろな想いを抱えてワンちゃんを購入して行きましたが、
みなさん本当に大切にしてくれて、そして客観的に見ても、ワンちゃんを家族として迎えてからの生活の方がイキイキと張りがある楽しい生活を送っているように見えました。

ワンちゃんは飼い主さん次第で生きもし悪くもなります。
飼い主さんの人生の強烈なスパイスとなって、味わい深いものとなり、そして人生を豊かにしてくれるのだとぼくは思います。
くさいセリフですが・・・
「愛」そのものを毛皮で包んだような存在にぼく達が触れた時、人は最高の喜びを感じるのではないでしょうか。

70才のおばあさんに仔犬を渡した時、「このコが死ぬまで、あたし死ねないわ。」と嬉しそうに笑いながら言っていたことが、今でも脳裏から離れません。
そのおばあさんは今も元気に毎日お散歩をしているそうです。




vol.15 2003/03/14

《楽しく犬生活》

こんばんは。かつ丸です。みなさん、いかがお過ごしでしょうか?
ぼくはワンちゃんを通じて、様々な人と出会って来ました。
またまたある公園での話なのですが・・・
その公園には夕方になると約20匹ほどの小型犬が集まります。
そして飼い主さん達も仲がよく、暗黙の了解の中で全匹ノーリードにし楽しい時間を過ごしていたようです。ある1人のおばさんを除いては・・・

そのおばさんはパンチパーマが伸びた感じの髪型で、小さめのメガネをかけ、小太りで50才半ばくらいの血圧の高そうな人でした。
何が変わっているかと言うと、自分が連れているシーズー♂(年中サマーカット)に触れないのです。
そのコがちょっとイタズラをすると、足で軽く蹴って注意します。
それを見てぼくが「おばさん、足はよくないよ!」と注意したら、
「わたくし、犬に触れないんです。」
「ホントですか?」と聞くと、どうやら1回もそのコを触ったことがないらしい。
おばさんが小さい頃に犬に手を噛まれたそうですが、それがトラウマとなって、今自分が暮らしているワンちゃんでさえも触れないのだそうです。
そのおばさんはすごく真面目そうな人で、「自分はやることはやっている。散歩も毎日しているし、獣医さんにも定期検診してもらっているし、月1回バリサマーカットもしているし、ちゃんと手をかけています!」と真っ赤な顔をし、熱くぼくに語っていました。
そのおばさんなりに一生懸命やっているのはとてもわかりますが、
どう見ても苦しさを感じてしまいました。
ぼくがそれ以上話すと血圧が上がりそうな気がしたので、ぼくは黙っていました。
ワンちゃんもどことなく、いつも楽しそうじゃなかったように見えました。
ぼくが出会った中ではかなり珍しい人でした。
ムリをしてワンちゃんを飼うと、そのムリがワンちゃんには透け透けに見えているとぼくは思います。

他にも、あまりにも名犬を高額で買い過ぎて、自分達の生活のお金が回らなくなり自己破産した人もいます。
結果、そのワンちゃん達を手離していました。
ワンちゃんの数を増やし過ぎて、夫婦喧嘩が多くなって離婚した人もいます。
娘が彼氏からプレゼントとしてもらったワンちゃんが、「こんなに大きくなるとは知らなかった」と嘆いていたおばさんの相談にもよく乗りました。(バーニーズ・マウンテンドッグ)
別例でセントバーナードもありました。おかぁさん、泣いてました。
(娘はその犬をおいてアメリカ留学)
病院代480万円のパピヨン。その奥さんは旦那さんの会社のお金をうまく内緒で回したと言っていましたが、バレたら殺されるそうです。

まだまだこんなムリ話をあげればキリがないのですが、多少のムリをしても楽しくやってる人と、心底辛そうにしている人(シャレにならない)では、どうやら結果が違うようです。
ワンちゃんと生活する上で、ポイントの1つは「共に楽しむ」ということだとぼくは思います。
ぼく自身、ワンちゃんのおかげで彼女とも出会い、たくさんの仲間と楽しい時間を過ごすことができ、生活に張り合いがあります。
【かつ丸の話】を読んで、少しでも「そうだな〜」と感じたら、
《楽しく犬生活》を意識してみてください。
楽しんだ者勝ちですぞ〜!ぼくが言うまでもないかな。




vol.14 2003/02/27

《ブリーダーマジック》

こんばんは。かつ丸です。
少し陽気も暖かくなってきましたがまだまだ寒い日もありますので、ワンちゃんと共に体調を崩さないように気を付けましょう。

先日友人から「ワンちゃんが欲しいんだけど、どんな犬種がいいかなぁ?」と相談されました。
どのように飼いたいのか?いろいろ聞いてみましたが、まだ具体的ではなかった感じがしたので話は途中のまま終わりました。
3日後、「うちのマロンよろしくね!」と突然メールが来ました。
ぼくの頭には「あ〜ぁ、買っちゃった」という言葉がまるでため息のように通り過ぎました。
犬種はコーギー、女のコで月年齢ナント30日。(◎o◯;)アウッ!
そしてまたすぐにメールが来ました。
「フードを吐いて痙攣してるんだけど大丈夫?」
とても笑えないおマヌケなメールでぼくはビックし、慌てて電話をしていろいろ聞いてみると、それは痙攣ではなく寝ている時に手足をピクピクとさせているだけでした。ε- (´ー`*) フッ

友人はすっかりブリーダーマジックにかかっており、ぼくの言うことを素直に聞かなくなっていました。
それはどんなことかと言うと・・・・
「フードは1日2回あげてください。」(生後30日のコーギー)
フードも、パッケージには何も書いていないフードで、なんのフードかわからないのに「なくなったらうちから買ってください」と言われ、友人もその気でいるようでした。
特にワンちゃんを初めて飼う人の場合、いろんなことを知るまではブリーダーやペットショップの言いなり、そうすれば安心だと思いがちです。
ブリーダーの中にはフードは定期的に何年も買ってもらえるので、ワンちゃんとセットで儲けている人もいっぱいいます。
そこには選択の余地はありません。
「知らない」って怖いですね。

友人の場合、フード選びはひとまずおいといて、食事の回数を4回に増やすよう勧めました。
ぼくはウェルシュ・コーギー・カーディガンの子供をとったことが何度かありますが、乳離れさせるのに約35日かかりました。
このブリーダーは仔犬を初めて飼う人に、なぜそんなに早く引き渡したのか?すごく疑問に思いました。
イギリスだったら動物虐待で間違いなく逮捕されるところです。
ブリーダーが言うことは必ずしも正しいわけではありません。
個体差によってフードやシャンプー、そしてしつけ方も変わってきます。
何か起きてから初めて気付くのでは遅すぎますよ。

以前からぼくは「日本のブリーダーって一体何?」という単純な疑問を抱いていました。
大量繁殖(作り屋さん)もブリーダー???
数匹飼って自家繁殖させている人もブリーダー?
たまたま奥さんがトリーマーだった・・・これもブリーダー?
ペットショップが売れ筋の犬種だけを繁殖している・・・これも???
ドッグショーに出ているワンちゃんのオーナーさんもブリーダー?

「繁殖する人=ブリーダー」だとはぼくは考えていません。
その犬種に惚れ込み、血統(スタンダード)にこだわり、犬の健康を第一に考え、誠実な犬作りに日夜努力を欠かさない人・・・
例えばイギリスでは、代々同じ犬種を作り続け、血統を守り、家族(犬も含む)の名誉のために誇りを持ってブリーディングしています。
犬はお金儲けの商品ではないのです。
作る側も購入する側もこう言った考えが日本にどんどん浸透していき、不幸なワンちゃんや不幸な飼い主さんが少しでも減ることをぼくは願います。

このようなことを日本に広めていくために、いろいろな関係の方達から情報を集めています。(海外からも協力していただいています)
今後、Natural Dog Lifeよりみなさまへ提案していきますので、応援の程よろしくお願いします。




vol.13 2003/02/12

《お散歩》

こんばんは。かつ丸です。
ぼくがショップをしていた頃、看板犬の数匹のワンちゃんはノーリードで散歩をすることができました。
その姿を見て「うちのコもノーリードでお散歩できたらなぁ」と言う人がたくさんいましたが、あるコトがあって、ぼくはノーリードをすることに対して疑問に思うようになりました。

それは、普通に歩くことすらおぼつかず、注意散漫で飼い主さんの言うことなんてさっぱり聞かない闘犬をしつけていた時のことでした。
いつものように公園の散歩道をリードを短く持ち ぼくの横につけ歩いていた所、ノーリードで遊んでいるワンちゃん達が近付いて来ました。
ぼくが連れているワンちゃんは 男のコのワンちゃんに対して非常に攻撃的で、近付いてくれば必ずと言っていい程噛みつきます。
戦闘モードに入っている時は飼い主や連れている人にまでも噛みつくような危険なワンちゃんでした。
ぼくは大声で「すみませ〜ん!ちょっと近付けないでくださ〜いッ!」と呼び掛けましたが、普段見なれない闘犬の登場に たくさんのワンちゃん達が追い掛けて来ました。
ぼくは猛ダッシュでその場を立ち去ろうとしましたが、その闘犬は振り返り、振り返り、追い掛けて来るワンちゃんを威嚇し、ぼくは無理矢理引っ張って走るというなんとも言えない姿。
もし、そのワンちゃん達と絡んだら大変なことになる。噛みついて振り回している姿が脳裏を横切り、走ったのと合わせ、心臓は爆発寸前・・・
こんな怖い散歩をしたのは初めてでした。

普段ぼくもノーリードで街や公園を歩き、「自分のワンちゃんに限っては他のワンちゃんに危害を与えないから大丈夫」と思っていましたが、自分が闘犬クンのようなワンちゃんを散歩していると「頼むから近付かせないでくれ!お願いだからワンちゃん離さないで!」と、そんな全く逆の言葉がぼくの頭をよぎりました。
闘犬を連れて歩いている自分が悪いのか?それとも離している人が悪いのか?
事故が起きてからでは遅いという風に肝に命じた散歩でした。
一般的にはノーリードにしているワンちゃんが悪いとされますが、もしぼくが連れているワンちゃん(闘犬クン)が噛んだら、「噛んだ方が悪い」とされがちです。(加害者扱い)
なにか矛盾しているような、なんとも言えない嫌悪感が残ります。
それぞれ散歩をしている人達の目的は違います。
ワンちゃんと自分の健康のためにしている人もいれば、ワンちゃん仲間とお話をするために公園に遊びに来る人もいますし、しつけのために散歩している人もいます。
どれが正しいか、正しくないかではなく、ワンちゃんも自分も楽しく、気持ちよく散歩するために、マナーを守っていきましょう。

あと こんなこともあった・・・・・
ぼくの横についたら絶対に離れないワンちゃんがいました。
誰かにしっぽを引っ張られても怒らず、他のワンちゃんが近付いて来ても無視。
「このコは何があっても大丈夫」とぼくは思っていました。
ある夏の夕暮れ時の公園で、子供達が花火を打ち上げた瞬間、ぼくが連れていたワンちゃんは、その光と音に吃驚し取り乱して走って逃げて行ってしまいました。
ぼくの停めてある車の所で待っていましたが、呼び戻そうとして何回も名前を呼んだけれども一目散に走って行ったのでした。
こういった興奮状態の時に小さな子供にぶつかったり、あるいは道路に出てしまったら、事故を起こしていたかもしれません。
ぼくはワンちゃんに対して信頼はしていますが、100%信用はしていないのです。
こんなぼくの話を聞いて思い当たる節のある方は、くれぐれも注意してくださいね。




vol.12 2003/01/20

《牧羊犬達との日々》

こんばんは。かつ丸です。
みなさん、いかがお過ごしでしょうか?

ぼくが牧羊犬に興味を持ったのは、あるフリスビードッグを見た時からだた。
そのワンちゃんは、フリスビーを投げる飼い主さんの下手さをカバーする程の腕前だった。
素晴らしく訓練され、そのポテンシャルの高さは ぼくの今までのワンちゃんに対する考え方全てが変わったかのようだった・・・

半年後、オーストラリアン・シェパードのアラくんを購入しました。
彼は既に一才半で、ほぼ成犬として完成しており、そのブルーマールの被毛をまとった風貌はまるで貴公子のようでした。
ただ1つ問題が・・・・前のブリーダーさんに相当甘やかされて育ったせいか、言うことをまるでききませんでした。
一度吠え出すとしばらく鳴き止まず、女のコのワンちゃんがいるとスキあらば襲い掛かろうとする。他の男のコ全員を自分に従わせようとする。
ある種ぼく自身にも似ている彼との生活はドキドキの連続でした。
家の中では大変おとなしく、一緒にテレビを見たり同じベッドで寝たり、じゃれたりしていました。
彼の得意技は、甘える時に“前でんぐり返し”・・・こんなことをするワンちゃんは初めてだったので、ぼくは一緒になってでんぐり返しをして楽しんでいました。

彼の困った性格をしつけ直すのはそう時間はかかりませんでした。
最初、アラくんの管理の仕方に多少問題がありました。他にもたくさんの牧羊犬がいたため(約15匹)、そのコ達と同じ犬舎でバリケンの中で管理していたのです。
朝晩のお散歩も充分していたつもりだったが、それは“つもり”に過ぎなかった。
他のワンちゃんはそれでよかったが、彼は人とのコミュニケーションをすごく持ちたがる性格で、集合住宅的な飼い方は不向きであることに気付いた。
彼と自分の部屋で暮らすようになってから、まるで別犬になったように穏やかになり、彼の行動自体も余裕がうまれました。

あらゆる雑誌や本のしつけ方を目に通したり、しつけのビデオまで買い込みいろんなことを試しました。
彼には「褒める」タイプのしつけ方が合っていたようです。
横浜の元町を颯爽と歩く様は今でもぼくの脳裏に焼き付いています。
しつけの方法は知っての通りひとつではないのです。そのコのキャラクターや犬種等で違ってきます。
「手に負えない」と言ってあきらめず、自分のワンちゃんに合ったしつけ方を探してみましょう。

チャンスがあればもう一度オーストラリアン・シェパードと暮らしてみたいと思います。




vol.11 2003/01/17


あけましておめでとうございます。かつ丸です。
今回は《固定観念》のお話をしようと思います。

ワンちゃんと暮らしはじめると、いろいろな情報がたくさんの人や本、
またはインターネットなどから飛び込んで来ます。
フードの良し悪し、しつけの仕方、運動のさせ方(遊び)、病気や交配について、グッズ・・・
そうしたたくさんの情報の中から私達は選択していきます。
今ワンちゃんに与えているものを一旦立ち止まってもう一度よく見てみましょう。
果たしてそれがベストなのでしょうか?

ぼくの親しいワンコ仲間達に改めていろんな話を聞いてみたら、こんなおかしい話がありました。
「獣医さんに『ドッグフードなんか与えて、殺す気ですか?』と言われたから」と言い、どう考えても成長期の仔犬にはとても合わないような食べ物(ドッグフード以外)を与えて、そのコの成長をさまたげていることにも気付かず(どう見ても健全な仔犬の形成ではなかった)、【全てのドッグフード=死】という観念を持ち、ぼくから見れば逆に死に近付けているように見えました。
※手作り食を否定しているわけではなく、バランスよく与えないと逆効果になるということをご理解いただきたいと思います。

獣医さんの中には、強い言葉で ある意味飼い主さんをコントロールする人もいます。
それを鵜呑みにし、以前から持っていた自分の意見のように思い込み、人に伝えたりする人を見ると、その観念で育てられてるコがすごく心配でなりません。

他にも、「『黒毛のワンちゃんは気性が荒い』とブリーダーさんが言っていたから飼わない方がいいよ!」とか「チェリーアイになるコは寂しがり屋や甘えん坊のコがなる病気」とか
「ワクチンは3年に一度の接種でよいと学会で発表されている」とか・・・
※ワクチンは、アメリカで猫は3年に一度の接種でよいと認定されたようですが、犬はアメリカでも もちろん国内でも認定されていません。

ペットブームやインターネットの普及により、間違った情報なども多く耳や目にします。参考にするのはいいことだと思いますが、自分のワンちゃんに全て当てはまるわけではないのです。
もし、自分が描いているドッグライフが手に入ってないとしたら、どこかで間違った(必要でない)観念を持ってる可能性があるかもしれませんね。
心当たりのある人は 新年にもう一度リセットし直し、考え方(やり方)を変えてみてはどうでしょうか?