vol.56 2006/08/31
《 ホリスティック医学》
随分久しぶりになってしまいました。こんにちは、かつ丸です。
みなさま、そしてワンコたちは暑い夏を元気に乗り越えられましたでしょうか?
よく耳にする「自然治癒力」という言葉、今回はその自然治癒力に関係するお話を少ししたいと思います。
ホリスティック医学の傍らに代替療法や自然療法があり、これらは現代の西洋医学以外の医学や医療として、日本でも少しずつですが広まりつつあります。
この中には食事療法をはじめとし、ハーブ療法、ホメオパシー、フラワーエッセンス、アロマテラピー、東洋医学(気功、漢方、鍼灸)、インドのアーユルヴェーダ、カイロプラクティック、波動医学、色彩療法、ヒーリングなどの他、医療・療法として日本ではまだ認知されていない様々な療法があります。みなさまも耳にしたことがあるのではないでしょうか。
欧米を中心とした先進国では「代替療法」は再認識されており、伝統医学として取り扱われています。そして多くの人達が家庭の医学的な考えの下に、生活の中に取り入れているようです。
また、このような専門医や医療機関、学校も多く見られます。
しかしながら、日本はこの分野ではかなり遅れをとっており、ただ今発展中…といったところです。
私たち人間と比べ、成長速度が速い犬の場合、化学物質による影響がダイレクトに表れる傾向があることから、「愛犬の身体にできるだけ負担をかけたくない」という想いで、日本の愛犬家の間でも、病名の診察には一般動物医療施設を訪れ、治療には代替療法を用いるという方もいます。←私もその1人です。
獣医さんの間でも代替療法に関心を持つ方が少しずつですが増えてきました。
代替療法が注目されてきた背景にあるものは、現在、病院で主に施されている薬物療法、化学療法、物理療法が、アレルギー疾患やガン等の疾患に対して、科学的な医学だけでは限界があるからです。
しかし、現在の医療が「西洋医学」が主流になっている限り、表面的な治療をする対症療法には限界があるようですね。残念ですが。
ほとんどの動物病院、獣医さんは病気を表面上でしか診ていない。と言うか、診れないのかもしれません。
私が病院を訪れる時、何が原因なのか?症状からどういうことが根本に考えられるのか?を明確にしたくて先生とお話させていただくのですが、本質から外れてしまい、いつも納得のいく回答が得られず…。
症状の表面だけを捉えた治療は、時には正常な細胞にもダメージを与え、生体の免疫力や自然治癒力を弱らせてしまいます。薬の力で一時的には治ったように見えても、実は却って治りづらい身体になっているのです。
症状を抑えるだけで、根本は改善されていない→また薬を服用。
これを仲間の間では、『イタチごっこ』と皮肉って呼んでいます。
ステロイドなどの免疫抑制剤で免疫機能を抑えてまで治そうとするのはいい例…。何か変ですよねぇ。
下痢をすれば下痢止めや腸の動きを止める整腸剤、熱があれば解熱剤で熱を抑える。嘔吐すれば吐き気止めを処方されます。症状の原因(本質)を追及しようとはしません。
自然治癒力なんてとんでもない!みんなが自然治癒力を頼りにしてしまったら、病院は繁盛せずにすぐに経営悪化です。
今後、統合医療が少しでも増えるようになればと期待しています。
私は病院や獣医さんを批判したいわけではなく、その子の症状に合わせた、身体にも心にもできるだけ負担のない治療法を選択し、勧めていただきたいだけなのです。
愛犬家のみなさん。
簡単にすべてを病院や獣医さんまかせにしていませんか?
これからは『愛犬の健康は自分で守る!』とう意識と、そのための知識を飼い主さんもしっかりと身に付けていく必要があります。
いつも言っていますが、「健康な身体を育むためには、健康な食事を始めとする健康な生活を心がけ、実践すること!」
食事が病気を直接治すのではありません。自然と調和のとれた食事によって血液が浄化され、血行をよくし、落ち込んでいた自然治癒力や免疫力を蘇らせ病気が治癒していくのです。
ホリスティックな考えをもとに生命を全体と捉えると、今まで見えなかったたくさんの事が見えてきます。
食事を始めとしたホリスティックケア・代替療法、自然療法は、愛犬たちの身体にもやさしく、家庭でできる健康管理にとても適していると思います。そしてその可能性にとても期待しています。
『心とカラダは、つながっている』
この言葉を意識して大切にしている獣医さんは、日本にどれ位いるのだろう?
健康は、目に見える身体だけではなく、目に見えない精神・感情・霊性(スピリチュアル)なものも含めた、生命の全体性と深く関係していると何となく解っている方はたくさんいるはずなのに。
先日、愛犬の食事の相談に来た医大生の口から『肉体と精神はつながっている』と言う言葉を聞いた時、少し嬉しかった。
彼はその言葉の本質をどれほど理解しているかはわからないが、特に医療に携わる人達には、いつも意識してもらいたい言葉だと思います。
ホリスティックとは?
1926年にジャン・クリスチャン・スマッツという思想家が「ホーリズム(holism)と進化」という著作の中「holism」の形容詞として初めて「Holistic」という造語を使いました。
Holisticという言葉は、ギリシャ語のholos(全体)を語源としています。そこから派生した言葉にwhole,heal,holy,health…などがあり、健康(health)という言葉自体がもともと『全体』に根ざしています。
現在、「ホリスティック」という言葉は、「全体」「関連」「つながり」「バランス」といった意味をすべて包含した言葉として解釈されています。
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